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おすすめ本です!
のぞいてみて下さい!


この本, よんで! Part.2

このコーナーでは、2023年からリニューアルした
栃木子どもの本の講座の講義の中で取り上げられた本を紹介いたします。
                
2024年のテーマは「私が語る絵本の魅力」です。このコーナーでは講義の中で取り上げられた本をごく一部ではありますが、紹介します。
                        
 =2024=  現代の子どもの本  家族が語る絵本作家

おすすめ本!

赤羽 茂乃氏の講座

 題名 作者  画  出版社 
『おへそがえる・ごん』    赤羽末吉 福音館書店


①ぽんこつやまのぽんたとこんたの巻
②おにのさんぞくやっつけろの巻
③こしぬけとのさまの巻
の3部作
 おへそのボタンを押すと雲がもくもく出てくる“かえるのごん”。ある日、おにぎりをもらったことをきっかけに人間のけんと友達になります。そして、戦場に連れていかれたけんのお父さん探しを手伝うため、旅にでますが・・・動物も人間も平等で、弱い者同士が助け合い権力者と戦うというストーリーです。動きのあるユーモアたっぷりの絵や文章で描かれ、ちょっと地味ですがぜひ子どもたちに読んでほしい絵本です。 講師の赤羽茂乃さんは 「このおへそガエルは、1921年の無声映画「豪傑児雷也」に出てくるカエルを思い出させる。講談を文章にした当時少年に人気を博していた立川文庫を夢中になって読んだという赤羽末吉なら、あくまで推測の域を出ないが、この映画を見ていたと思う。私も映画を見てみましたが、白い煙をあげてガマに変身するところなど、雲を出すかえるのごんに似ているし、侍たちの動きも映画に出てくる侍たちに非常に似ている。幼いころの記憶が甦って思い出しながら描いたというのは、想像に難くない。幼いころから肌で感じて楽しい思い出に満たされた映画とか落語とかユーモア感覚というのは、絵本作りにもちゃんと表現されている」 と、講座内でおっしゃっていました。

『かさじぞう』 瀬田貞二:再話 赤羽末吉 福音館書店


 ある年の大晦日、じいさんは自分の作った編み笠を売って正月用のもちを買おうと町に来たが、賑やかな年越し市では、じいさんの作った笠なんか誰からも見向きもされなかった・・・瀬田貞二の無駄を省いたよどみない口調と赤羽末吉の扇形の中に描かれた色彩を抑えた挿絵が読む者をゆったり優しく包む。赤羽の絵は文章そのままの説明には終わらず、細かいところまで工夫を凝らし、絵自体が物語を雄弁に語り、文章を更に豊かにし、響きあって作品全体に詩情を生んでいる。赤羽は東京神田生まれであるが22歳の時に満州に行き、戦後日本に帰国している。そのためか雪へのこだわりが強く、この「かさじぞう」の取材にはわざわざ福島県柳津の雪中に出かけている。初版は1961年 で これが赤羽末吉51歳のデビュー作となる。1980年には小さなノーベル賞といわれる国際アンデルセン賞を受賞している。



堀内花子・紅子氏の講座

題名  作者  絵  出版社
『どうぶつしんぶん』 岸田衿子,谷川俊太郎,松竹いね子 堀内誠一 福音館書店


 本を開けると、黄色い袋。付録?いいえ、これは森のどうぶつたちのための新聞です。 B2サイズの春夏秋冬、各号の4枚の紙が両面印刷され、折りたたまれて入っています。森の催しや連載新聞小説、料理欄、詩と俳句コーナー、ミュージックコーナー、健康相談、迷子のお知らせなど、おもしろいニュースが満載です。堀内花子さんは、「岸田さん、谷川さん、松竹さんと父が、ダジャレとブラックユーモアで盛り上がって作っていた」と証言しています。「4枚の紙で『こどものとも』を出すのは、なかなかできないことです。父らしい、父だからできた本」と話してくださいました。

 

『どうくつをたんけんする』 堀内誠一 堀内誠一 福音館書店


 男の子と女の子が洞窟を探検するテーマを軸に、世界中の洞窟とか、洞窟学の進化とか恐竜の世界にさかのぼって、洞窟の成り立ちとかが、かなり細かく描かれています。実際に秋吉台の鍾乳洞を取材し構想を練り上げたそうです。洞窟内の神秘的な様子が美しくリアルに描き出されています。世界各地の洞窟に潜った、堀内さんならではの描き方です。 さあ、私たちも洞窟探検に出発しましょう。

 

『きこりとおおかみ』 山口智子・再話 堀内誠一 福音館書店


 きこりとおかみさんがすかんぽのスープを作っているところへ、おなかをすかせたおおかみが小屋に入り込んできます。おおかみはきこりとおかみさんとスープのどれからさきにいただこう?と迷います。先におおかみに気づいたのは、おかみさん。おかみさんは「どうしよう?」と考えます。 緊迫した場面がテンポよく、臨場感をもって語られます。でも絵は、なんともおかしみがあります。おおかみをうまく撃退したきこりは、1年後にまたそのおおかみに会うのです。木に登ったきこりが上から見た視点の絵、反対に木の下から上を見た視点の絵。どの絵も躍動感があふれています。そして、これを少し遠くから読み聞かせてもらうと、とても美しい絵なのです。フランス在住の時に描かれたというこの絵は、現地の人が見ると、ああ!あの森の絵だ!とわかるとか。 すかんぽのスープも、よく食べられている美味しいスープだそうです。



藪内 竜太氏の講座

題名  作者  絵  出版社
『どうやってねるのかな? やぶうちまさゆき やぶうちまさゆき 福音館書店


 どうぶつたちの起きている時の姿は、動物園・絵本・写真などでもよく見ることがあります。でも、この絵本は起きている時と寝ている時の姿が描かれています。リスは丸くなり尻尾にくるまって眠ります。コウモリはぶら下がって畳まれた羽根の中に頭を入れて眠ります。

 
『きょうりゅうのかいかた』 くさのだいすけ やぶうちまさゆき 岩波書店


 まきと恵は、動物好きの兄妹です。二人は生き物をいろいろ飼っていますがお父さんにもっと大きな動物を飼いたいといいます。ある日、お父さんはきょうりゅうの子どもをもらってきました。二人は友達たちに協力してもらい、きょうりゅうのために家を作り、えさの草を集めたりとお世話をします。きょうりゅうを飼うためにはどんなことをするのかな?

 




                            


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