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過去の学習交流会のレポートをご覧いただけます。

学習交流会   2019.2
講師:木下通子氏
 2017 .11
講師:梅本恵氏
 2017 .4
学校図書館Pメンバー
 
 2016
講師:福岡敦子氏
 2015
講師:近藤君子氏
 2014
講師:松岡要氏
 2013
講師:水越規容子氏

                       
栃木子どもの本連絡会 研修交流会
すべての子どもたちのために学校図書館の充実を

    ―「学校図書館法」改正を踏まえてー


                  講師:近藤 君子氏


― 近藤君子氏のプロフィール ―
埼玉県公立小学校図書館 司書
日本子どもの本研究会 理事
親子読書地域文庫全国連絡会 世話人
『子どもと読書』 編集担当
学校図書館を考える全国連絡会 世話人
国際子ども図書館を考える全国連絡会 運営委

同会 学校図書館委員会 委員
学校図書館問題研究会 会員
科学読物研究会 会員
児童図書館研究会 会員










《講演要旨》
先生ご自身の子どもの頃、近くに公共図書館はなく駅前の書店にも子どもの本の扱いはほとんど無かった。出産祝いにもらった「どろんこハリー」から、子どもの本の面白さを知り興味を持ったが、子どもと出かけた公共図書館でさえ、子どもがじっくりと本を楽しめるような環境ではなかった。
文庫や様々な勉強会に参加した際、「小さい頃、子どもの本で育った」という人の話に衝撃を受ける。育った環境によって、子どもが本に接する機会に違いがあっても良いものか。また、どうして子どもの本を考える時、“学校図書館”が大切なのか。子どもに本を手渡すことを考えると、やっぱり、学校図書館は欠かせない存在だからである。子どもたちが本を手にする場所だからこそ、子どもや子どもの本が好きで、子どもに本を手渡したいと思う大人が、常にそこにいることが大切。そして、「読書センター」「学習センター」「情報センター」の各機能の向上が必要なのだ。学校図書館は、学校教育を支える施設である。公共図書館に指定管理者制度の導入が広がっている中、学校図書館の中にも民間の力が及んでいるところもある。学校教育の中に、民間の力を入れても良いものだろうか。また、学校司書のために交付されている150億円の地方交付税は、果たして有効に活用されているのか。自治体ごとの考えの違いで、教育の現場である学校図書館の環境が違ってしまって良い訳はない。司書の資格要件も重要になってくる。
支援センターとしての条件を整え、司書の育成にも力を注がなければならない。司書教諭と学校司書の2職種の役割や職務はどうか。市民の声が国を動かし始めている。法律に「学校司書」が明記されたことは大きな成果ではあるが、専門性と資格要件についても更に言及していかなければならない。
また、司書教諭についても、資格の養成課程から変えていく必要がある。学校図書館が図書館としての機能を有していなければ、図書館とは言えないのである。様々な問題点がある中で、ちょっとでも前進したこ
とは評価したいが、今後も注視していきたい。




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