
子どもと本を結ぶ活動を進めていく上で、子ども達にとって身近で大きな存在の学校図書館の問題は避けて通れない課題です。連絡会では1991年2月に「学校図書館問題を考える」第1回目の勉強会をスタートさせ、その後、年1、2回の勉強会を重ね、サマースクールでも分科会・全体会などで学校図書館問題を取り上げてきました。
そうした活動を続けていく中で、学校図書館が抱えている問題の大きさゆえに、連絡会の年間活動の1つとしてやるのでなく、専門部会を立ち上げて学校図書館のことを考えていこうという事で、2001年(平成13年)に「学校図書館を考えるプロジェクト」が発足しました。
主な活動は、学習交流会の開催や、その時々の学校図書館問題についての考察をするためのリーフレットを年1回発行することなどです。(リーフレットの内容に関しては別窓でご覧下さい)活動のメンバーは運営委員を中心とした会員で構成されています。
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2020年度学習交流会を開催予定です
演題 「未来を生きる子ども達に 今、何が必要か」 ― 学校図書館がはたす役割―
講師 福田孝子氏
日時 2021年2月28日(日) 13:30〜15:30
会場 宇都宮市立中央図書館3F 集会室
この事業は終わりました
 


栃木子どもの本連絡会 学習交流会=2019・2=
2019年2月10日(日)
『読みたい心に火をつけろ!
〜専任・専門・正規の学校司書ができること〜』
木下通子氏(埼玉県立高等学校図書館担当部長兼主任司書)
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現在、埼玉県立高校の学校司書として大活躍の木下さん。岩波ジュニア新書『読みたい心に火をつけろ!』ですっかりおなじみの木下さんのお話は、本での語り口そのまま!生徒と本をつなげることに注力されたエネルギーに満ち溢れたものでした。当日は、県内から図書ボランティアや学校司書、図書館関係者など総勢40名が集まり、大盛況でした。
講話の冒頭で、20代の木下さんと市民グループのボランティアたちとの出会いが今につながっています、というお話がありました。読み聞かせにふさわしい絵本の知識や年齢にあった絵本の選び方など、ボランティアの方たちに教わり育ててもらって今がある、会場の皆さんもこれからも頑張ってほしいと、力強くおっしゃいました。

●学校司書が発揮すべき専門性とは?
@本の良さを伝える
=まずはひたすら読むこと。読み物だけでなく、授業に必要な資料に精通していることも大切です。
Aフロアーワーク
=図書館を訪れる生徒の「本のソムリエ」になること。生徒のニーズに応えるだけでなく、読んでほしい本を示してあげられることも必要です。
B読みやすい図書館だよりの作成
=生徒が求めている本、発達段階や理解の程度に合わせて作成された図書館だよりであること。
でも、@からBの仕事の根幹は「選書」です!「選書」は、利用者が必要としている資料、知りたい気持ちに応え、その先にある世界を広げてくれる資料を選ぶことに尽きます。
●読書に関わる学校図書館の役割とは?
@生徒個人の読書を支える=楽しみのための読書を支援すること
A学校教育課程の展開に寄与する=読解力や思考力を身につけるために
でも、一番大切なのは・・、
B子どもたちにとって、学校図書館が「生きていくための情報」を得られる場所であること
子どもたちの図書館利用は、年齢が上がるにしたがって公共図書館から学校図書館なりますが、学校の卒業後は再び公共図書館を利用します。このような生涯学習の枠組みの中で学校図書館をとらえると、学校図書館は、すべての児童、生徒が「必ず行けること」「安全で守られていること」「無料で利用できる」施設といえます。現代の日本では、子どもたちが巻きこまれる痛ましい事件があとを絶ちません。そんな子どもたちにとっても学校図書館は生きていくための知識や知恵を身に付け、必要な情報を得る場でもあり、困ったときには、無条件に助けてくれる存在でもあります。
学校図書館はすべての子どもたちが利用できます。そこで読書の楽しみを知り、好きなことに出会い、深め、得意なことを伸ばせる可能性が無限にひろがっています。
そんな学校図書館にはやはり、専任、専門、正規の学校司書が必要なのです!
学校司書ができることは、本当に無限です。栃木子どもの本連絡会では、専任・専門・正規の学校司書の配置を求める活動を続けていますが、改めて活動の意義を再確認し、励まされた時間となりました。
木下先生、ありがとうございました!
■木下通子さんプロフィール■
1985年に埼玉県の司書として採用される。現在、埼玉県立浦和第一女子高校図書館担当部長兼主任司書。
ビブリオバトル普及委員、埼玉県高校図書館フェスティバル実行委員長、学校図書館問題研究会事務局次長等、図書館関係の研究会の活動に携わるほか、3人の子どもの子育ての経験から地元で育児支援などの活動に関わっている。
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「学校図書館を考えるプロジェクト」では、一緒に活動して下さるメンバーを随時募集しています。月1回不定期、宇都宮市内図書館にて活動中です。皆様のご参加をお待ちしております!

学校図書館を考えるシリーズ

 
年 月 |
テーマ |
備考 |
平成13年12月 |
生きた学校図書館をめざして |
講師 石井 宗雄氏
(全国学校図書館協議会事務局長) |
平成14年11月 |
学校図書館の可能性 |
講師 竹内 セ氏
(日本図書館協会理事長) |
平成15年
6月、7月 |
学校図書館フォーラム(全3回) |
講師 安達 みのり氏
蔵元 和子氏 |
平成16年 |
学校図書館ビデオリレー
小山・田沼・宇都宮・鹿沼地区 |
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平成17年 |
子ども読書活動支援ボランティアアンケート委託事業 |
ー |
平成19年2月 |
学校図書館の現場は
今、どうなっているの? |
3名の学校司書さんからの報告 |
平成20年1月 |
学校図書館の現場は
今、どうなっているの?
・パート2 中学校では |
3名の中学校司書さんからの報告  |
平成21年2月 |
公立図書館の
指定管理者制度って? |
講師 松岡 要氏
(日本図書館協会事務局長)  |
平成22年2月 |
宇都宮市のいきいき学校図書館 |
2名の中学校司書さんからの報告 |
平成23年4月 |
学校図書館の本を使っての
読み聞かせ・ブックトークの実演 |
低学年向き・高学年向き
2名の会員による実演  |
平成24年4月 |
学校図書館を生かして
宇都宮市立東小学校の実践 |
講師 日賀野 聡子氏 
同校 元司書 |
平成25年4月 |
学校図書館に専門の司書を
どうして?それって必要?
私たちに関係あるの? |
講師 水越 規容子氏 |
平成26年4月 |
図書館の管理運営のあり方を考える
〜「指定管理者制度」と子どもの読書・住民サービスの保障〜 |
講師 松岡 要氏 |
平成27年4月 |
すべての子どもたちのために学校図書館の充実を―『学校図書館法改正」を踏まえて― |
講師 近藤 君子氏  |
平成28年4月 |
司書と先生がつくる学校図書館
〜本を読む喜びを届けて〜
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講師 福岡 敦子氏  |
平成29年4月 |
子どもに読書のよろこびを
―学校図書館を考えるリーフレットから見えてきたこと― |
学校図書館を考えるプロジェクトメンバー |
平成29年11月 |
学校図書館に人を!
〜情報交流紙『ぱっちわーく』にたずさわって〜 |
講師 梅本 恵氏  |
※この間に岡山市や山形県鶴岡市の学校図書館のビデオ上映・貸し出し事業など行ってきました。
◆10年ほど経って宇都宮市に専任・専門の司書全校配置など嬉しいニュースも有りましたが、栃木県の学校図書館を取り巻く状況は、まだまだ厳しいものです。
一緒に活動をしてくださる方募集しています。
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