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おすすめ本です!
のぞいてみて下さい!


栃木子どもの本連続講座の今年のテーマは「フランス・ベルギー・オランダの子どもの本」です。


このコーナーでは、連続講座の講義の中に取り上げられた本を、ごく一部ではありますが、講座の順に取り上げ、紹介していきます。
                        おすすめ本
1:末松氷海子氏の講座

2:石津ちひろ氏の講座

3:野坂悦子氏の講座

4:西村由美氏の講座

                           1 1 1 1 31 4
『きつねのフォスとうさぎのハース』
『その2 また たまご』『その3 南の島へ』

シルヴィア・ヴァンデン・ヘーデ
テー・チョンキン
野坂悦子
岩波書店



 食いしん坊のフォスとしっかりもののハースは森で一緒に暮らしています。きつねのフォスはふとっちょさん、うさぎのハースはお料理じょうず。
ある日、友だちのフクロウが大切にあたためていたたまごに、たいへんなことがおこります。「ピヨ、ピヨ!」と生まれてきたのは・・・
そして森の季節は秋から冬へ。ある日引っ越してきたおとなりさんは、しっぽは、
きつねにそっくり。あたまはうさぎにそっくり。名前はハネカザリ・シッポ。
フォスが言うには「すごいびじょ!」さて、いったいだれ?
この本はベルギー生まれの絵物語、本の姿も絵も文章も息がぴったりです。
3冊まとめて読んでください。大人も幸せな気分になります。
フォスもその3に登場するゾウアザラシも魅力的。
オランダでは週刊フォスとハースが出るくらいの人気だそうです

『ひみつの小屋のマデリーフ』

フース・コイヤー
鈴木永子
野坂悦子
国土社



マデリーフは、いろんなことを知りたいと思っているオランダの女の子です。
 おばあちゃんが、病気で死んでしまいました。マデリーフは、おばあちゃんのことを良く知りませんでした。おばあちゃんは、どんな人だったのか?自分はおばあちゃんと似ているのかしら?と考えます。マデリーフは、いろんな人に聞いてみますが、お母さんもおじいちゃんも、あまり話してはくれません。みんなに理解されないまま死んで行ったおばあちゃんの姿を通して、人はどうやったら幸せになれるのだろう、人はどうやったら自分らしく生きて行けるのだろうと、問いかけている本です。
 この物語は、マデリーフを主人公にした四作目の本です。一作目とこの四作目は、オランダの児童文学として「金の石筆賞」を受賞しました。


『第八森の子どもたち』

エルス・ぺルフロム
ピーター・ファン・ストラーテン
野坂悦子
福音館書店



第二次大戦末期のオランダの物語です。ノーチェは11歳。住んでいたオランダ東部のアルネムをめぐる戦いにイギリス軍が負けると、アルネムの人々は町を立ち退かなければならなくなり、ノーチェはお父さんと二人、自転車に荷物を積んで町を出ます。辿りついたのが、クラップへクと呼ばれる農家でした。クラップへクのおやじさんとヤンナおばさんは二人を受け入れます。クラップへクにはすでにテオという若者がおり、また後にはウォルトハウス一家4人、さらに身寄りのないおばあさんも受け入れます。クラップへクにはおやじさんとヤンナおばさん、ノーチェの1つ年上のエバートとおねえちゃんと呼ばれる重度の障害がある女の子、弟のヘリット、そして使用人のヘンクがいます。ドイツ軍が近くに迫り、クラップへクを兵舎に使ったり、常に不安と隣り合わせですが、みんなは牛の世話をし、作物を育て、町から食べ物や牛乳を求めて訪ねてくる人には分けてあげます。おやじさんは信心深く、おばさんはべたべたしてはいないけれど、思いやりに溢れています。ノーチェが第八森と呼んでいた森の中で、ユダヤ人の赤ちゃんが生まれると、引き取って面倒をみます。1945年の春、ドイツ軍が敗れるまでの1年弱の時が、ノーチェの目を通して描かれています。ドイツ兵もただの敵ではなく人間として描かれ、また季節の移り変わり、特に春を迎えた喜び、子どもらしい数々の遊び、それらを通してのノーチェやエバートの成長が生き生きと、また力強く描かれています。
 訳者の野坂先生のお話によると、表紙はオランダ版ではノーチェとエバートが描かれていたのが、オランダ人は世界一背の高い民族で、日本人から見ると、その絵はまるで大人のよう、というので日本語版では絵を差し替えたそうです。また画家のペーター・ファン・ストラーテンは、『おじいちゃんわすれないよ』などの挿絵画家ハルメン・ファン・ストラーテンのおじさんだということです。







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