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おすすめ本です!
のぞいてみて下さい!


栃木子どもの本連続講座の2012年のテーマは「ドイツの子どもの本」です。
このコーナーでは、連続講座の講義の中に取り上げられた本を、ごく一部ではありますが、講座の順に取り上げ、紹介していきます。
                        おすすめ本
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点子ちゃんとアントン』 

エーリヒ・ケストナー 
池田香代子 
岩波少年文庫 


ケストナーの作品の中からこの一冊!
点子ちゃん? って変な名前?? これって、ドイツ語でPunktchen
点のように小さい子という意味、だから日本語に翻訳すると点子ちゃんになるわけ。
本名はルイーゼ、好奇心旺盛でお茶目な女の子、そして、とってもとってもお金持ち。
アントンはとても貧乏だけど、勇敢でやさしい男の子。
全然違う二人だけれど、強い友情で結ばれています。
二人を取り巻く個性豊かな登場人物たち・・・、どんな事件が起きるのやら・・・。

年配の方は高橋健二氏訳でお読みになっていると思いますが、ぜひ池田香代子氏訳をお読みいただき、小学生や中学生、大人の方にも紹介していただきたい一冊です。
池田香代子氏の訳者あとがきにケストナーの詩の紹介がありました。
ケストナーさん、母の気持ちがわかるのでしょうか? 
皆様、ぜひぜひご一読を!



【望月みどりさんのおはなし会で語って頂いたおはなしです。】
『『ふしぎなオルガン』

 リヒャルト・レアンダー /著
国松孝二 /訳
岩波少年文庫



本書はリヒャルト・レアンダーによって1871年に刊行された創作童話集です。本名はリヒャルト・フォン・フォルクマンといい、ドイツでは
フォルクマン・レアンダーの童話として親しまれています。
 フォルクマンは医師でハルレ大学の外科医や病院長を務めるなど整形外科手術の名医として、ヨーロッパでは広く知られていました。この本は、1870年に起こった独仏戦争で、ドイツ軍の軍医監として出征していたフォルクマンが、ふるさとや、ふるさとに残してきた子ども達に思いをはせ、戦地から送り続けたお話を集めたものです。原題は、『フランスの炉辺の幻想』といい、20篇の童話が収録されています。
 表題の「ふしぎなオルガン」は、うぬぼれと功名心の強いオルガン作りが、神さまの意に沿わないのを花嫁のせいにし、家を飛び出したが、苦労と流浪の果に、ようやく神さまのみこころにかない、オルガンがひとりでに鳴り出すという心に響くお話です。また、小さな女の子の一日の冒険を描いた「こがねちゃん」、悪行のため左半身が錆びてしまった「錆びた騎士」、「魔法の指輪」では、たった一つしか願いがかなえられない指輪を手にした、若い百姓夫婦の心の動きを描いています。「沼のなかのハイノ」は、沼の恐ろしい鬼火の精から、命をかけて王子を救う健気な乙女のお話です。
 その他、「不幸鳥と幸福姫」「夢のブナの木」「みえない王国」「古いトランク」等、幻想的な話、ドラマチックな話、宗教色の濃い話、あどけない心温まる話等、どのお話もみずみずしい情緒と、ほのかな哀感が漂っています。また、心の奥底に触れてくるような、つつましい語り口も本書の特徴です。
 小学生の中学年以上の子ども達にお勧めの本です。



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