『森は生きている』
サムイル・マルシャーク/作
ワルワーラ・ブブノワ/絵
湯浅芳子/訳
岩波少年文庫
森は生きている』は原題を『十二ケ月』(1943年)といい、湯浅芳子が1953年に岩波少年文庫のために訳した時の題名です。
マルシャークはこれを戯曲として書き、当時のソビエトはもちろん日本でも何度も上演されました。この作品は、マルシャークがスラヴの『十二ケ月物語』を聞き、それを基にかかれたもので、大晦日の晩に一月から十二月までの月の精が森の中に集まるという言伝えを下敷きにしています。
きまぐれな14歳の女王が「新年までにマツユキソウをとどければ褒美をとらせる」というおふれをだしますが、マツユキソウは4月に咲く花です。
そこでまま母とその娘はままむすめを森に探しに行かせ、十二月の精に会えたままむすめはマツユキソウを手に入れることができました。女王にその場所を案内するように言われますが、十二月の精との約束を守り、マツユキソウを見つけた場所を教えない。
厳寒の森の中で、やがてまま母とその娘は犬にされてしまいます。十二月の精はみんな順番におくりものを持って、今や女主人となったままむすめの家にお客に行くと約束をします。
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