題名 |
作者 |
訳者 |
出版社 |
カンガル-には、
なぜふくろがあるのか
ーアボリジナルのものがたー
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ジェ-ムズ・ヴァンス・マ-シャル再話 |
百々佑利子 |
岩波書店 |
赤ちゃんを入れる袋を持つカンガル-、魚類だか鳥類だか分からないカモノハシ。砂漠や山に美しく咲くたくさんの花々。オ-ストラリアには珍しい動植物が多く存在します。
オ-ストラリア大陸は、周りを海に囲まれており、アボリジナルと呼ばれる人々が自然とともに暮らし、動物や植物を大切にし、それらに興味を持ち、たくさんのお話しを作っては語り伝えてきました。
本書は、虹色の大蛇が大地を作った話、カンガル-やカモノハシの姿の由来や『死ぬ』事について生き物たちが悩む話など10の物語が収録されています。
全編を彩るのは、ご自身もアボリジナルのヨ-タ・ヨ-タ部族出身の、ファイアブレイスさんのアボリジナル絵画です。生命そのものを捉えた力強い絵で魅了します。
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ミセス・カッタ-と
小人ニムビン
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パトリシア・
ライトソン |
百々佑利子 |
岩波書店 |
アボリジナルは600以上の部族にわかれ、使用言語も300~500もありました。互いに出会っても話が通じないことも多く、互いに異星人に遭遇したかのように感じました。そういう出会いが、地霊小人ニムビンやヘアリ-などの精霊伝説となって語り継がれてきました。地霊には父も母もありません。大地から生まれ、男である象徴として槍を持っており、女である象徴として草で編んだ袋を持っています。つまり精霊は男女を兼ねているのです。魔力を持った歌を知っていて遠くにいるものにでも歌で呼びかけます。
物語の舞台は、タスマン海に面している大陸東海岸クィ-ンズランド州ブロ-ド及びクラレンス川です。オ-ストラリア原住民の伝説を踏まえた作品となっています。
小動物や昆虫を意のままに操り動かす太古の精霊ニムビンとタッカ-おばあさんが、開拓小屋の所有権を巡って、あの手この手を駆使して対決します。
1986年度アンデルセン賞受賞された作品です。
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クシュラの奇跡 140冊の絵本との日々
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ドロシ-・バトラ- |
百々佑利子 |
のら書店 |
著者の次女パトリシアが20歳の学生でその夫が21歳の学生の時、生まれながらの染色体異常による重度の障害を持って生まれたのが孫のクシュラでした。
クシュラは、眼球がふらつき、なかなか焦点を合わせることが出来ません。動くオモチャを目で追うことは困難でしたが、絵本のように動かない物は、時間をかけて焦点を合わせる事が出来ると、それに大きく反応しました。生後4ヶ月で絵本と出会い、3歳9ヶ月までに、140冊の本を、1冊に付き時には何百回も読んでもらうことで、文章や言葉を記憶し、日常生活で使えるようになりました。学校に行くようになると、書き言葉にも本で覚えた内容が出てくるようになりました。
ドロシ-さんは、若い両親を助け子育て支援をしました。祖母、両親ともにクシュラの知能が発達する可能性を信じ、献身的な愛で接しました。
パトリシアさんは、クシュラの成長記録を細かくつけていました。本書はその記録をドロシ-さんがまとめ、1984年に出版されました。
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